JT150 いすゞエルフ ターボ イルムシャー
JT150 いすゞエルフ ターボ イルムシャー
JT150 いすゞエルフ ターボ イルムシャー
2代目は1985年5月、「FFジェミニ」(以下この項にて「FF」)として発売された。型式名は1985年に登場した1,500cc ガソリン車がJT150型、1988年に登場した1,600cc DOHCガソリン車がJT190型。そして1,500cc ディーゼルと1,500cc ディーゼルターボ車はJT600型。
初代のベースとなったオペル・カデットは1979年にフルモデルチェンジし、前輪駆動化されたが、FFはそれとは直接関係なく、「クオリティ・コンパクト」というコンセプトで、いすゞが独自開発したものである。だが、一方では、GMの世界戦略に組み込まれ「Rカー」として1984年11月よりGM向けに供給(輸出)もされた。駆動方式は前輪駆動を採用。初代ジェミニは大衆車クラスのやや上に位置していたが、FFはボディ・エンジンとも小型化し、大衆車クラスに位置することとなった。
117クーペ以来17年ぶりのいすゞオリジナル設計の乗用車で、モデルチェンジにあたり、アスカとの競合を避け、なおかつ米国市場をも意識して初代より一回り小型のクラス(現在のCセグメント)をターゲットとし、居住性と取り回しの良さを得るためにFF化、パワーステアリングやサーボブレーキなど特に操縦性を重視した設計とされた。このコンセプト内容は、かつてベレット後継車の構想時にも検討されていた。そして、一般的なテストコースだけでなく、一般道を中心とした走り込みを敢行し、走りを磨き込んだ。それ故、正式発表前に、自動車雑誌にデモンストレーション同然にスクープ写真が掲載された。
ボディデザインは、117クーペやピアッツァなどでいすゞとの関係が深かったジウジアーロが手掛けた。しかし、フロント部のいすゞ社内によるリデザインにジウジアーロが難色を示したため、発表時には彼のデザインであることは伏せられた[2]。ボディタイプは4ドアセダンと、先代の2ドアクーペに代わって3ドアハッチバックが設定された。
1986年には専用の電子制御式ターボ付き1,500ccの2バルブSOHCガソリンエンジン「4XC1-T型」を搭載し、足回りを旧・西ドイツのイルムシャー社がチューニングしたスポーツモデルの「1.5 イルムシャー」が登場している。
FFは大衆車クラスに変更された関係で当初は販売面が憂慮されたが、後述するテレビCMが大きな反響を呼んだことと、カラーバリエーションが豊富なことで人気を集めた。